ペルモビール株式会社

Yumeka Sano(F3)

SMA(脊髄性筋萎縮症)を患いながらも、高校生活を楽しみながら講演活動などに積極的に取り組み、大学へ進学を機に一人暮らしを準備中の佐野さまにとって、ペルモビールの電動車いす(F3)に出会ってどう変わったのか?支給決定迄の経緯や、1日の生活などもお伺いしました。

お名前を教えてください。

佐野夢果です。18歳です。

趣味を教えてください。

そうですね、最近は⼤学に合格したので、⼊りたい研究室の教授の本や、当事者研究に関する本など、少し学術的な本をたくさん読んでいます。

障害について教えてください。

私は SMA、脊髄性筋萎縮症のⅡ型です。

電動⾞いすに乗り始めたきっかけを教えてください。

電動⾞いすは⼩学校 1 年⽣のときから使い始めました。それまでは⼿動⾞いすだったのですが、⾃分で動けるかどうかが⼤きな問題で、⼿動⾞いすでは筋⼒が弱いこともあり、⾃分で動くのが難しかったんです。
学校⽣活や通学において、⾃分で⾞いすを使うためには電動⾞いすが必要でした。

学校⽣活について教えてください。

そうですね、私が学校で初めての⾞いす使⽤者だったこともあり、周りの理解を得るのが少し難しかった部分もありました。最初から理解してくれる信頼できる友達もいましたが、⼩学校⼊学当初は、特に⼤⼈の先⽣たちがどう接すればいいか分からず⼾惑っている様⼦を⼦ども⼼に感じることが多かったです。
その中で合理的配慮や⾃分がどうしてほしいかを伝える必要がありましたが、それを⼤⼈に伝えるのは難しく、コミュニケーション不⾜からうまく伝えられないこともありました。それでも⾃分で切り開いていく必要があると感じて、⼩学⽣ながら⼀⽣懸命話して進めていこうと努⼒していました。

学校の対応はどうでしたか?

私が⼊学した当時は、学校の環境がまだ整っていませんでした。エレベーターがなかったり、⽞関に段差があったりしましたが、地域の⼤⼯さんがスロープを作ってくれたりして、少しずつ環境が改善されていきました。給⾷⽤エレベーターが設置されたり、私のためだけではなく全体のために環境が整えられていったと感じています。

前に乗っていた電動⾞いすについて教えてください。

最初に使っていたのはペルモビールではなく、簡易電動⾞いすでした。

どのようにして電動⾞いすをご購⼊されましたか?

申請して、市から補助を受けて購⼊しました。

申請から許可が下りるまでどのくらい時間がかかりましたか?

半年以上かかりました。その間、必要性を訴え続ける必要があり、中学校進学までに間に合わせられるかどうかが⼤変でした。

申請で驚いたことはありましたか?

時間がかかるなと改めて感じました。

意⾒書はご⽤意されましたか?

はい、診察を受けた際に書いてもらいました。

⾃⼰負担はありましたか?

⾃⼰負担はありました。

ペルモビールを選んだきっかけを教えてください。

中学校への通学が遠く、電⾞で通わなければならなかったことが⼤きな理由です。簡易電動⾞いすでは段差や⻑距離に対応できず、踏切でタイヤがはまる可能性もありました。ペルモビールはタイヤが⼤きく安定しているほか、⾼さが調整できるなど、多くのメリットがあったため選びました。

どんな座位変換機能が付いていますか?

おそらくすべての機能が付いていると思います。⾼さが上がるし、背もたれも倒せますし、⾜の部分も動きます。フル機能だと思います。

どんな場⾯で各機能を利⽤されていますか?

よく使いますね。⾼さを上げる機能は特に便利で、授業中に背の⾼い⾼校⽣たちと同じ⽬線になるために⾼さを上げたり、⼀⼈で出かけたときにエレベーターのボタンに⼿が届かないときや買い物をするときなどに活⽤しています。
また、講演会で前に出て話す際にも⾼さを上げることがあります。他にもラーメン屋さんのカウンター席や、将来的にはバーなどでも使えるのが便利です。

ペルモビールの良いところを教えてください。

⾏動範囲が⼤幅に広がるところです。⾼さを調節できることで、⾃販機やエレベーターのボタンに⼿が届くようになり、⼀⼈で出かける難易度がぐっと下がります。また、私の病気では疲れやすさが課題ですが、座位を調整して休息が取れるため、新幹線や⾃家⽤⾞内で快適に過ごせるのも⼤きなメリットです。

ペルモビールの改善してほしいところを教えてください。

⾶⾏機での移動がとても⼤変です。例えば奄美⼤島に⾏った際、⼿配に時間がかかったうえ、⾶⾏機からの積み下ろしで業者の⽅々が対応に困り、⽗が⼿伝う必要がありました。

⼀⼈暮らしをされる予定はありますか?

はい、⼀⼈暮らしをしようと計画しています。ただ、ヘルパー制度の不⾜や⼤学までの通学⼿段、24時間介助をどう確保するかなど、乗り越えるべき課題が多いと感じています。

家探しは⼤変ですか?

現在、不動産に問い合わせながら準備を進めていますが、⾞いすでの⼀⼈暮らしに対応してくれる物件は少ないのが現状です。エレベーターがあっても⾞いすでは乗れない場合があるなど、苦労しています。

どんなサービスをご利⽤されていますか?

⼀度利⽤を試みたのですが、市役所から時間数の許可は下りたものの、⼗分な⼈⼿が確保できず、断念しました。

⼀⽇の⽣活の流れを教えてください。

朝起きて学校に送迎してもらい、到着後は⼀⼈で過ごします。県から派遣されている介助者がサポートしてくれるので、トイレ介助や教科書を取る⼿伝いなどを受けながら授業を受けています。基本的には授業や⼩テストの勉強に追われている⽇々です。

ペルモビールでどこまで外出されますか?

愛知県や東京など新幹線で色々な場所へ外出します。中学3年⽣の修学旅⾏では静岡まで⾏きました。コロナ禍だったため、富⼠⼭を⾶⾏機で⼀周するという内容でした。その際もペルモビールを活⽤しました。

何かお伝えしたいことはありますか?

講演やイベント主催を⾏っています。例えば、東京で「⾞いす・夢のデリバリー」という体験型スタンプラリーイベントを主催しました。⾞いす利⽤者とそれ以外の⼈々がフラットに交流し、新しい気づきを得られる場を作る活動を進めていきたいと考えています。

これからペルモビールを申請される⽅へメッセージをお願いします。

申請は⼤変かもしれませんが、それだけの価値がある⾞いすだと思います。ペルモビールは⾏動範囲を広げ、⼈⽣の可能性を広げる最⾼の相棒になるはずです。ぜひ諦めずに申請してみてください。

ありがとうございました。

ありがとうございました。