電動車いすの公費申請前にもう一度ご確認ください
電動車いすの申請は複雑です。また一度申請をしてしまうと、なかなか変更することはできません。申請をされる際にもう一度ご自身で何が必要かしっかり考えてみてください。これだけは最低限ないと生活できないという問題の整理は必要です。
総ての申請が通るわけではありません。また、市町村によって差があることも事実ですが、ご自身で現状を把握するということはとても重要なことです。弊社でも申請のお手伝いはできますが、最後はご自身の意志が重要です。
このような想定をしてください
- ご自宅での生活方法について
主に屋内で使うのか、屋外で使うのか。電動車いすを選定する際にとても大切な要素です。
屋外をメインに使われる場合、前輪駆動、後輪行動ともに問題はありませんが、屋内を中心に使う場合、後輪駆動はおすすめできません。ご購入前に今一度お考えください。- お車の選定、その前に・・・
電動車いすを選定する前に車を購入されてしまう方を多くお見受けします。
自家用車は改造やスロープを設置する業者等多数ありますが、電動車椅子の選択肢はそう多くありません。
弊社の製品に限らず、まずお車の選定をする前に、ご自身の体や生活スタイルに合った電動車いすを選択することをお勧めします。- 住宅改修、その前に・・・
バリアフリー対応の家に改修したので、大丈夫!というお客様のご自宅に弊社製品が入らない。
あるいは、せっかくテーブルや洗面台を下げたのに車いすで入れないから、電動車椅子をキャンセルしたい。
そんな話が良くあります。
住宅改修をする前に、まず生活必需品である電動車いすの選定をお願いします。また、改修業者の方も是非ご相談ください。高さを下げるばかりが「バリアフリー」対応ではありません。- ご利用になる環境での確認
電動車いすはバッテリー(蓄電池)で動きます。バッテリーは冬場に、屋外で充電される場合、充電能力が著しく低下します。保管場所が屋外の場合、季節による利用状況も考慮するといいでしょう。また、ヘルパーさんや施設の担当の方にも事前に相談することをお勧めします。
納品後に施設内で利用できなくなるといった事案も見受けます。このため、実際に利用する環境での試乗は大切です。- ご自身の必要とする電動機能
電動機能は電動車いすにとって「移動」と同じくらい重要な要素です。
電動リフトを使うことによって「就業が続けられる」という方や、電動ティルトを利用して除圧することにより自立生活の時間を延ばすことができるなどといった様々なメリットがあります。むろん、公費の範囲内で必要以上を求めることはできませんが、最低限あったほうが良い機能もあります。
このようなアドバイスを提案することも、弊社の仕事です。経験豊かな弊社スタッフにお問い合わせください。- 差額の自己負担
公費申請の段階が進むにつれて「自己負担」という問題が出てくることがあります。
本人が希望するデザイン、素材等を選択することにより基準額を超える場合は、基準額との差額を本人が負担して支給することは差し支えないとされています。
ただし、自己負担した部分に対する修理においても自己負担が生じます。
ではリフト機能分の差額を自己負担するので、ティルト分を支給対象として欲しい場合はどうなるのでしょうか?- 判定所によって答えは以下の2つに分かれます。
- リフト分を自己負担するならティルトとリフトで支給を認めます。
- リフト分を自己負担して機能を増やすのであればティルト付き車いすも認めません。全額を自費で購入してください。もしくはリフト機能はあきらめてください。
では、申請の時には黙っておいて利用者が勝手に機能を増やすとどうなるのでしょうか?
支給後の適合判定の際に支給対象の製品と違う製品であるとなり、支給対象外となります。
※自分に何の機能が何の為に必要であるのか明確にしてから申請をすることが大切です。